現代風、音楽の楽しみ方とは

現代風、音楽の楽しみ方とは

レコード会社はどうするべきか

CDの目に見えた売上減

90年代全般を通して、誰もが音楽業界ほど華やかな世界はないと思っていたに違いない。ミリオンセールスを記録するアーティストたちのプライベートがあまりに豪華絢爛過ぎて、いつか自分も音楽で大成して裕福な暮らしをしたいと願ってデビューを目指した人もいただろう。何せミリオンセールスを記録し、歌唱だけでなく作詞・作曲をしていればその分の印税まで入ってくれば、一度に使い切れないほどの金額を手に出来たからだ。こうした栄光はいつまでも続くと業界は思っていたに違いない、権威はいつまでも継続していくだろうと思われていた矢先に影をさした存在こそ、音楽配信という画期的な至上の到来によるものだった。

そもそも音楽配信によってCD売上と同時にさらに売上を伸ばそうというのが、レコード会社としての本音だったのだろう。CDといっても初見で認知していない新規ユーザーを取り込むために、音楽配信という手段によって楽曲とアーティスト本人を知ってもらい、CDを購入してもらえる予想をしていた人もいたはず。後々そんなことが実現しないと気づいた瞬間には、手遅れと言ってもいいほどに追い込まれた状態になっていた。

00年代初期から数年までは、レコード会社もまだそれなりに高い売上を記録しており、ミリオンセールスも例外なく輩出していたが、ある時期には年間でミリオンという数字が減っていくという顕著な売上減が引き起こされていく。その裏には音楽配信サイトの存在があり、手頃な価格で手に入れられる音楽に惹かれ始める人が続出していくことを意味していました。この時使い勝手の悪さなど負の面もありましたが、それらを解消していくことで問題をクリアにしていきユーザー数を年々上げていくことに成功していったのです。一方で顕著な売上減が発生しているのに、また一方ではユーザーに受け入れられ市場を拡大していくという、見事な反作用を引き起こしていた。

レコード会社と音楽配信サイト、この2つを二分することになったのも現代ならではの時代的特徴といえる点でしょう。

話題の音楽

求める意識の差

元々日本のレコード会社にとって最大の売上だったCDセールスという看板が無くなってしまうなど、考えられなかった。そのため音楽配信に対しても決して積極的ではなかったのです。ですが時間の流れとともに音楽配信をするようになっていたが、決して乗り気ではなかった。その背景には当時としては最大規模の音楽配信サイトとして大成していた『iTunesMusicStore』の存在が、日本で台頭したことでその脅威にさらされてしまったのです。

先に話したmoraは日本で初めて各音楽レーベルが著作権を認めた上で楽曲配信を許可したものとなっていましたが、開始直後は何かと不便すぎる機能を伴っていた。楽曲の値段が高く、音楽をプレイヤーに転送する回数も限られている、おまけに曲数も限られているなど、ユーザーにすればこんなに利用しづらいサービスはないと苦情が出る三拍子を重視していたのです。それだけCDセールスの減少を抑えたいという切実な願いがこめられていたわけだが、直後には件のApple社の音楽配信に淘汰されてしまう。安い・無制限・曲数豊富という、人によっては今は遠き理想郷ともいうべき場所と見ていたかも知れない。

このような施策を取られてはレコード会社も渋々値段を引き下げ、さらに回数にしても無制限とは言わずにもう少し広くし、さらに曲数も順次増やしていく事になった。はっきり言ってしまえばiTunes側の圧勝だったということ、それだけに日本のレコード会社一同も受け入れたくない事実を受け入れざるをえなくなってしまった。

レコード会社と音楽配信サイト、この2つは元より音楽を利用してどのようにしたいのかという目的意識に違いがあるのです。この意識を重視していたからこそ、レコード会社は音楽配信など始めたくなかったという。ではどのような思惑を持っていたのかと言うと、

  • レコード会社の本音:CDセールスの売上が減少しないよう、維持したい
  • 音楽配信サイトの本音:利用してもらうため、より多くの人に専用にプレーヤーを手に入れてもらいたい

というところだ。これはあくまで企業として見た場合における考え方であって、消費者の利点など何も考慮していない。最終的には音楽サイト側に軍配は上がってしまうため、結論として音楽プレイヤーなどの売上がそれなりに好調となっていったのも1つの理由へと繋がる。

携帯電話での音楽聴取

この頃から音楽も手頃に聴くことが流行りとなっていった。その一端としてプレイヤーではなく、携帯電話を利用して音楽を楽しむという方法も取り入れられていくのです。プレイヤーを持っていなかった頃、筆者も携帯電話のSDカードにインストールしてプレイヤー代わりにしていた時期がある。それこそわざわざ買わなくても良いと思えるくらい数年単位で重宝していた。この時はまだフィーチャーフォンでスマホに見られるようなバッテリーパフォーマンスも悪くはなかったため、一日聴いていても電池が無くなることはなかったことも影響している。

ですがそれも時間の経過とともに音楽配信に対応したWALKMANを購入すると、携帯電話としての機能を重視するようになっていく。ですが大半の人は最新の通信機器を利用して音楽をより楽しい物へと昇華していくことになるわけですが、これによって音楽業界にもたらされたのは手に負えないほどの損失だったのです。

今何聞いてる?

減少スピードの速さ

音楽配信サイトを認めずにいられなくなり、その結果としてレコード会社が年間で生じることになった損失額は計り知れない。業界を通しても、音楽配信サイトが一般認知されるようになった2005年からは何と10億円単位で年間のCDセールス売上が下がるという、とんでもない影響を残していくのです。死活問題なのは目に見えている、それこそ生き死にを争うほどに窮地に陥る状態となっているのだが、実のところ日本のCDセールス売上は世界と比べた場合ではまだ全然良い方だ。というのも、現在2015年の日本としても世界的にCDセールスの売上は世界一だという事実、どれくらいの人が知っているだろうか。